1924年の創刊以来、日本の科学少年・少女たちのバイブルとして愛され続けてきた雑誌『子供の科学』(誠文堂新光社)。2024年になんと【創刊100周年】という記念すべき節目を迎えた今、彼らは「雑誌」という枠を超え、研究者や企業のR&D部門、さらには隠れた技術を持つメーカーと共に、次世代のイノベーターを育てる「共創」へと舵を切りました。

なぜ今、歴史ある雑誌が外部企業との「共創」を求めているのか?そして、そこにはどのような「空席(募集枠)」があるのか?

誠文堂新光社の大関氏に、その想いと具体的な構想を語っていただきました。

■共創企業のご紹介

株式会社誠文堂新光社
雑誌「子供の科学」事業推進ご担当:大関 真哉さま

株式会社誠文堂新光社は、1912年創業の老舗出版社で、「科学・技術」領域と「生活・文化」領域に強みを持つ出版社です。
子ども向け科学誌『子供の科学』をはじめ、多くの教育・理工系コンテンツを制作し、次世代の学びを支える活動を続けています。
研究者・専門家との共同企画も多数手掛け、信頼性の高い情報発信で定評があります。
今回、共創クラウドにて、企業との新たなコラボレーション創出を目指しています。

■共創案件情報

共創案件名:

次世代の技術者を育む科学教育コンテンツを共に創りませんか?

案件概要:

弊社の子ども向け科学誌『子供の科学』とともに、「科学の魅力」や「先端技術の意義」を子どもに伝える教育コンテンツを共創する企業・研究機関を募集します。

案件詳細:

私たちは誠文堂新光社という企業で、子ども向け科学誌『子供の科学』を出版しています。
『子供の科学』は、誌面での特集に留まらず、公募企画やワークショップなど幅広く、読者である子どもたちの科学教育に力を入れています。
この推進に向け、企業規模に問わず、幅広く共創パートナー企業さまを募集しています。

まずは一度、「どんなことができそうか?」という最初の段階から、カジュアルに情報交換できましたら幸いです。

具体的には、次のような共創コンテンツを一緒に開発していけるパートナー企業さまを探しています。
・誌面特集/Web記事(主に製造業・研究機関向け)
 - 工場の“科学的な不思議やおもしろさ”を子ども向けに発信
 - 製造プロセスを、SDGs教育や社会課題解決の観点から紹介など
・ワークショップ開発パートナー
 上記の誌面特集と一緒に、コラボレーションワークショップを開催。
 子供の科学が保有する「ワークショップマニュアル」を提供可能です。
・公募企画『トコトンチャレンジ』の共同研究パートナー
 子どもからアイデアを募集する人気企画で、優秀作品を企業と共同研究として実施した事例もあります。この共同研究パートナーになりませんか?

昨年開催実績はこちら:
https://www.kodomonokagaku.com/ksp/

このように、誌面・Web・ワークショップ・共同研究など、貴社のアセットや課題に合わせて、柔軟な共創方式の提案が可能です。

期待成果:

共創パートナー数:10社

こちらの共創パートナー募集案件について、当記事ではご担当となる大関さまに、共創クラウドのコンシェルジュである相馬がお話をお伺いし、共創パートナーを通じた事業展望や、求める共創パートナー像についてまとめます。

■インタビュー内容

■Q1. 本日はありがとうございます。単刀直入に伺いますが、『子供の科学』が持っている最大にして最強の資産は、やはり「読者」そのものでしょうか?

大関氏: そうですね。「コンテンツ」と「子どもたち(読者)」そのものです。

それに加えて、1924年の創刊から積み上げてきた「100年の歴史」と、そこから巣立っていった「OB・OG」の存在も大きな資産だと考えています。

単に雑誌を読んでいる子どもたちというだけでなく、科学に対して非常に高い熱量を持ったコミュニティが、世代を超えて存在していること。これが私たちの最大の強みです。

■Q2. 企業の方の中には「子ども向けコンテンツ=簡単・低レベル」というイメージを持つ方もいます。その誤解を解くような、読者の「熱量」や「レベルの高さ」がわかるエピソードはありますか?

大関氏: そうですね。わかりやすい例で言うと、過去のノーベル賞受賞者の方々の中にも、子どもの頃に本誌を愛読してくださっていた方がいらっしゃいます。これは弊社のWebサイト(コカネット)でもご紹介していますが、まさに「未来の博士」たちが読んでいる雑誌であるという証左かと思います。

参考リンク:『子供の科学』創刊100周年メッセージ★ノーベル化学賞受賞者・白川英樹さん
https://www.kodomonokagaku.com/read/70749/

また、現在行っている「トコトンチャレンジ」という研究コンテスト企画があるのですが、そこで子どもたちからご応募いただく提案や研究レポートの内容を見ると、そのレベルの高さに驚かされます。「子ども向けだから簡単にすればいい」という発想は、彼らには通用しません。彼らはすでに、未来のイノベーター予備軍なのです。

参考リンク:「小中学生トコトンチャレンジ2025」-『子供の科学』次世代教育プログラム
https://www.kodomonokagaku.com/ksp/

■Q3. 創刊100年という圧倒的な歴史がありながら、なぜ今、「共創クラウド」を通じて異業種とのパートナーシップを求めているのでしょうか?

大関氏: マクロな視点で見ると、やはり「少子化」という課題があります。子どもの数が減っていく中で、これまで通りに国内で雑誌を売ったり、広告枠を売ったりするだけでは、縮小していくマーケットに順応しきれません。そこで、新しい領域への展開が必要と考えています。

一つは「グローバル化」。
例えば、日本の質の高い科学コンテンツを多言語化して海外へ届けるといった展開です。

もう一つは「体験価値の創出」です。
先述のトコトンチャレンジもそうですし、夏休みの自由研究関連イベントなども、すでに当社は実施していますが、こうした「雑誌というメディアの枠」を超えて、たとえば先端技術をもつ他企業さまと一緒に、子どもたちへ「プロ目線の・本物の体験」を作っていく。

そのような新しい取り組みを通じて、事業としての広がりを作っていきたいと考えていますし、この想いを実現する一つの手段として、他企業さまとの「共創・コラボレーション」だと考えています。

■Q4. 読者である子どものレベルが高いことからも、「本物の体験」は魅力的に思います。たとえば、既存の「子ども向けイベント」で何か物足りないとお考えのことはありますか?

大関氏: どうしても我々出版社だけだと、提供できる体験に限界があります。しかし、企業のR&D(研究開発)部門の方や、最先端の技術を持っている方々と組むことで、例えば「本物の研究者の手伝いをする」とか「プロが使う技術に触れる」といった、より深度のある体験が提供できます。

読者である子どもたちは好奇心があふれ、よくある子ども向けの紹介コンテンツではなく、「本物」のコンテンツに飢えていると考えます。企業さまが持っている専門性の高い技術や知見と、私たちが持つ「子どもたちに伝える編集力」を掛け合わせることで、質の高い科学体験を生み出したいですね。

■Q5. 一歩踏み込み、「妄想」を聞かせてください。もし明日、どんな企業さまでも組めるとしたら、誰と何をしてみたいですか?

大関氏: あえて業種を絞らずに言うなら、例えば「素材メーカー」さんなどは面白いですね。繊維や化学素材など、プロの現場で使われている素材を使って、子どもたちと何か実験工作をする。あるいは「コンテンツ産業」の方々。ゲームや映像技術の会社さんと組んで、科学をエンターテインメントとして昇華させるような取り組みも可能性を感じます。あとはコンテンツの「グローバル展開」に関心のある企業さまともお話ししてみたいですね。

特に、国内では一般知名度が低くても、実は「世界シェアNo.1」といった技術をお持ちのBtoBメーカー(隠れた企業)さん。そういった企業さまの「すごさ」は、科学好きの子どもたちには必ず刺さりますから、ぜひご一緒してみたいです。

■Q6. この共創プロジェクトにおいて、カウンターパート(窓口)になってほしいのはどんな人ですか? やはり広報の方でしょうか?

大関氏: 広報の方ももちろんですが、やはり「技術」や「現場」に近い方だと話が弾みそうですね。特に、海外展開を視野に入れている企業の担当者様や、自社の技術をどうやって次世代に伝えていくかに課題を感じている方などとは、深い議論ができると思います。
もちろん企業のCSR活動という点では、広報の方との親和性は高いはずです。

■Q7. 逆に「こういうマインドの企業とは合わないかも」という条件はありますか?

大関氏: そうですね……正直に申し上げると、「短期的な広告効果(コスパ)」だけを求められると難しいかもしれません。
「これだけの予算で、どれだけのリーチ数があるのか?」といった数値ありきの広告出稿的なお付き合いよりは、もう少し長い目で見て、「未来の子どもたちをバックアップする」というビジョンや、「自社の技術で子どもたちの目を輝かせたい」という想いを共有できるパートナーさまとご一緒したいですね。

■Q8. 最後に、まだ見ぬパートナー企業に向けて一言お願いします。今の子どもたちと関わることは、その企業にとってどんなメリットがあると思いますか?

大関氏: 過去、実際にコラボした企業さまからは、「満足度が非常に高い」というお声をいただいています。
例えば、ある企業さまと、宇宙開発に関する企画をご一緒した際、研究者の方の講演を聞いた子どもから「僕も宇宙開発に携わりたい!」という熱烈な応募がありました。

企業側からの一方的な発信ではなく、子どもたちから本気のリアクションが返ってくる。
これには研究者の方も「自分のやっていることが未来に繋がっているのだ」と、非常に感銘を受けていらっしゃいました。

社員のモチベーション向上や、10年後の採用(リクルーティング)、そしてCSRの文脈でも、きっと御社にプライスレスな価値を提供できるはずです。ぜひ、御社の「本気の技術」を、未来のイノベーターたちにぶつけてみてください。

■インタビューを振り返って

インタビュアーである相馬は、子供の科学 2025年12月号 & 11月号をさっそく買って読んでみて、コンテンツのクオリティの高さに驚きました。専門性の高さもさることながら、わかりやすさ・興味の持たせ方が非常に精緻に組み立てられています。

この卓越した編集力を持つ彼らとなら、共創パートナーとなられる企業さまの、最先端の技術や、一見難解に思える専門分野も、きっと子どもたちを熱狂させる「本物の科学体験」へと昇華してくれるはずだと感じています。

御社の技術が、10年後、20年後の世界を変える未来の科学者たちを育てる「種」になるかもしれない。そんなワクワクする可能性を秘めたパートナーシップの扉が、今ここに開かれています。

技術と情熱をお持ちの企業様、ぜひ共創クラウドでその熱い想いをぶつけてみてください。

ご応募を心よりお待ちしています!